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ケアプランを自分で立てよう 島村八重子(論壇)
:2000年10月18日 朝刊 015ページ オピニオン1 写 1614字

介護保険制度が施行されて半年。さまざまな問題がマスコミをにぎわしています。苦情窓口には、利用者からも事業者からもたくさんの苦情が寄せられているようです。

 その中で、問題解決の糸口を、ケアプランをつくってくれる介護支援専門員(ケアマネジャー)のあり方に求める声が強いように思います。でも、独立性が乏しく、報酬が低く、一人最高五十件もの利用者を担当する現状では、酷ではないかと私は思います。介護保険は自己負担、自己責任とうたいながら、責任をケアマネジャーに転嫁するのでは釈然としません。

 私はそれよりも、利用者のケアプラン自己作成を推進する方が有効だと思います。行政のパンフレットや介護保険の解説本などを見ると、ケアプランはケアマネジャーが立てるものと言い切ったり、自己作成に触れていても申しわけ程度だったりです。ケアプランはケアマネジャーが立てなくてはいけないと思い込んでいる利用者も多いように思います。

 ケアマネジャーは本来、自分でプランを立てられない利用者を支援する専門職として設置されたものです。なのに、こうした空気が主流となっている現状は、おかしいのではないでしょうか。

 ケアプランはだれが立ててもいいのです。高齢者本人でなくても、周りにキーパーソンがいればその人が立てればいいのです。むしろ、当事者の性格や生き方を理解している人が、その人のために、個性を大切にしたプランを立てることが、介護保険の趣旨に合ったやり方ではないかと思います。

 ちなみに、自己作成する場合は、前月末までに役所の窓口に書類を届け出て証印をもらえば、ケアマネジャーが立てたと同様にサービスが受けられます。私は義母のケアプランを作成しました。確かにいくつかの困難がありましたが、素人だからといって決して不可能な作業ではありませんでした。

 壁は、役所窓口の消極的な姿勢でした。次第に協力的になってくれたものの、初めは「専門的な知識が必要で素人では絶対に無理」「毎月ずっと提出し続けなくてはならないので大変」「ケアマネジャーに依頼しても利用者に金銭的な負担は必要ないので、依頼するように勧めている」などと、なぜこんなに、と思うくらい後ろ向きでした。

 ケアマネジャーに任せればしないで済む、給付管理票を国民健康保険団体連合会へ提出する事務が、役所にかかるからでしょうか。それとも、一般人の力量を信じていないのでしょうか。

 でも、介護保険すべてを網羅する膨大な知識はなくとも、自分のケースだけ考えればいいのですから、素人でも作成にはまったく問題はありません。面倒な計算や細かい書類への記入は、ソフトの開発や手続きの簡素化など、やり方次第でいくらでも改善できると思います。

 もし自治体に自己作成への否定的な意識があれば、改めていただきたいと思います。その上で、自己作成者のための相談機関を設ける、事業者の情報などを整備して利用者に公開する、煩雑な計算などをしなくてすむプラン作成ソフトを開発するなど、自己作成を支援する態勢をつくってほしいものです。手続きの簡素化など役所の負担も軽くするように工夫すれば、自己作成は特別な人の特別なことではなくなるはずです。

 自己作成が増えれば、ケアマネジャーは本当にプランを立てることができない利用者のサポートに力を入れることができます。ひいては、介護保険の財源の節約にもつながります。

 利用者も人任せにせず、本当に自分の望むプランへの執着を持つべきです。利用者が積極的にかかわっていこうとすることが、いま必要なのではないでしょうか。

 (しまむら・やえこ 主婦<東京都在住>=投稿)